用す感を感じる

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用す感を感じる

床に置かれたダンボールの中に入ってる300冊の本をどこに置こうか、と僕は首を捻っていた。蝦名さんが僕の両頬を摘んで、上に引き上げる。

「???はなして、くだだい」

蝦名さんは笑いながら指を離した。

「痛いですよ」

「可愛い顔が台無しだよ?」


こういう行動って、三木店長も河崎店長も安利呃人やるんだよね。蝦名さんって、もしかして???。まさか、ね。


「じゃあ、この本、どこに並べればいいんですか?」

「そうだな????」

蝦名さんも首を捻る。本には番号が振ってある。出来るだけ番号順に、番号が離れないように考えて配置しないと、売り場がパニックになるらしい。
塩見店長は明るくて、学生には気軽に声を掛ける。店長に懐いている学生もいて、彼らはまるで親戚のお兄さんに話し掛けるかのように、「店長!お疲れ!」と声を掛けていく。

30代の塩見店長と20代の蝦名さんは、気が合うようでいつも軽い口調で話しをしている。2人はその延長で僕に話し掛けるから、僕も疎外事Amway傳銷無く、すんなりと売店の雰囲気に馴染んでしまった。

 春休み中は人も少なくて、売店は終日閑散としている。いつもなら賑わう昼食時も、大学の職員さんたちやクラブ活動に来ている学生が利るだけ。授業開始の鐘も鳴らないし、昼ご飯の時間もバラバラだから店が混雑する事はない。

 蝦名さんは新学期からの授業で使用する本を先生方から受注したり、それを発注するのが主な仕事だ。今は、4月からの販売に向けて準備で忙しい。その合間を縫って、春休み中は来ないアルバイトが担当している仕事もやっている。

新人の僕はそのフォローに回り、納品のチェックや品出しが主な仕事だ。時々、蝦名さんにくっ付いて学生課や先生方の研究室や非常勤講師室を回って挨拶したり、受注した本を届けたりもする。先生方に会う時は、蝦名さんはスーツに着替えてから行く。紺色のポケットがたくさん付いたエプロンを外して、パリッとしたスーツを着ると見違えた。

一瞬ポカンとしてしまった僕に、蝦名さんが言った。

「なに?カッコ良過ぎてビックリしたとか?」

「あっ???あの」

悔しいけど、そのとおりです。『S-five』ではイ安利傳銷ケメンに囲まれて麻痺していたけれど、蝦名さんの容姿は際立っている。学生の中にもイケメンはいるけれど、蝦名さんのような華のある人はそうそういないから、とにかく目立つのだ。

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